広瀬君、再び急上昇!!!   (小説です(^^ゞ)

6月1日 ダイジェスト!!
「ん?」

「あ、起こしちゃった?」

 やっぱり来たっ!!
 すでに部屋にいたし。
 一応年頃の娘なんですがっ!黙って入るなよっ!!!

「おはよう。」

「お、おはようございます。」


 ついつい挨拶しちゃったけれど・・・

 先生、何してるの?

 イスに座ってワコの机に向かっている。


「コンピューター、目覚まし代わり?」


 ああ、確かにアラームで起動させてる。
 そういえば昨日はどうしたっけ?
 先生はちょうどコンピューターを終了させてくれたところだった。

 起きようとしたおでこを押さえられた。

「ダメ、ゆっくり起きなきゃ。」

 驚いて先生をマジマジと見ちゃったら、手のひらでまで覆われた。

「まだ寝てなよ。俺は仕事があってどうしても朝しか顔を見にこられなかったんだ。今日はお刺身を届けさせるからね。早くよくなってね。」


「・・・」 目を覆われた手が温かい。ドキドキ


「本当にごめんね。ケガさせる気なんかなかったのに・・・まだ寝ていて。」


「・・・」 ふわっとのってる手のひら。ドキドキ 


「本当にごめん」


 心臓の音、マックス!!!

 なんで?

 んなことより、この音、センセに聞こえてないよね???



 先生がもう片方の手で、ワコのケガしたところの髪の毛を持ち上げた。



 うわ、ダメだよ、センセ・・・ドキドキ

 ワコ、心臓破裂しちゃう・・・ドキドキ



 包帯からはみ出ている、剃られたところを指で撫でてる。



 うわあ、ど、どしよ・・・ 



「か、髪なんてすぐに伸びるよ・・・」



 縫うときに剃られたから・・・



「長い髪、自慢なんだろ? あんなに抵抗して・・・」



 本当にいつくしむように撫でてくれる。

 なんとなく覚えている。

 髪を剃られるのをものすごく抵抗していた。

 その後の記憶がない。




「俺のせいだ・・・」




 なんて言おう・・・
 確かにセンセのせいかもしれないけれど・・・
 殴られるような原因を作ったのはワコなのだ・・・


 そもそもマンガなんか、見つかるから・・・

 読んでたから・・・

 持ってたから・・・

 学校なんかに持っていったから・・・



「じ、自慢できるもんなんて、髪くらいしかなくて・・・」


 あたし、何言ってるんだろ・・・

 思いと口は絶対に別々に動いている。

 だって今あたしの全神経は、センセの指だもの。

 剃られたところを、後悔するように撫でているセンセの指。


「そんなことないよ」

 
 へ?


「い、いいよ・・・気なんて使わなくって・・・」


 あ、ダメ・・・何、しゃべってんだろ・・・


「髪伸ばしてないとさ、男の子と間違えられちゃうよ。胸、ないし・・・」

「そんなこと、思ってるの?君は十分かわいいのに。」


 か、かわいい!!!???

 あ・・・あかん・・・

 あ・・・あかんて・・・

 自分の心臓の音が大きくて・・・ドキドキドキ


 あ、もっとあかん・・・ドキドキドキドキ

 センセが近づいた気がする・・・

 だって左の頭のへんが、温かい、感じが、近づいてきて・・・


「早く治って。」




「・・・」 ドクドクドクドク






 なんか・・・

 キス・・・

 だった???







「どうかした?顔、赤いよ?熱?」

「へ?」



 ね、熱・・・?



 慌てて先生の手を退けようとしたら、

 先生はワコが動かすままに手を動かしてくれる。





 今、先生の手はワコの思いのまま?




 目が合ってしまって、どうしていいか分かんなくって、

 だから、もう一度、自分でワコの目の上に、

 先生の手を、戻した。



「その傷、どしたの?」



 口の横が切れてて、頬が青くなってて・・・



「多方面から殴られた。特に君のパパにはやられたよ。」


 パ、パパ・・・


「ご、ごめん・・・」


「なんで君が謝るのさ。悪いのは俺なのに。」


 いや、でも・・・



「君を嫁さんにもらうのは、苦労しそうだな。」





 あ・・・あたし、もらわれるんですか?




 あなた・・・に?







「部屋、片付けたの?」

「ん・・・うん。汚いとこ、見ちゃったんでしょ?」

「見た。」


 先生が笑った、と思った。だから目の覆いを外した。


「もう行かないといけない。」

「デート?」


 にやッとして聞いた。


「仕事。」

 先生はドッと疲れたような顔になった。

「補習か何かなの?」

「また詳しく話せるよ。他の人には黙っておいてね。面倒だから。」

 先生はもう一度「早く治れ」と頭を撫でて帰っていった。




 なんつーか、とろけたーーー♪ヾ(≧▽≦)ノ彡☆!










 夜、お刺身が届いた。どう見ても食べきれない。

「だから先に断れって言っただろ。」

 どう見たって十人前だ。

 刺身パーティーしろってか。

「ワコ、明日お前の先生に、我が家は三人家族で食べ盛りの男の子はいないと、きつーく言っておけ。でないと、これからもちょくちょくこういう目に合うぞ。」

 はい、言っておきます、心して。




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