センセ、絶好調!!   (小説です(^^ゞ)

5月5日 ダイジェスト!!
「おはよ、待った?」と私、鎌田ワコ。
「おはよ、大丈夫。」と祥子。

 先日祥子と約束した映画、
 メンバーには千尋と千歳も加わっていた。
 祥子はずっと携帯メールを見ている。
 だから携帯って嫌いだ。

「昨日のドラマ見た?」
「見た見た〜〜〜」というありふれた会話。
 女子高生四人のデート。
 女ばかりで虚しいといえばそうなんだけれど、女ばかりもいいもんだ。

 どうせ混むからと朝一上映を狙っている。


「チケット、買っておいてくれたって。」と祥子が言う。


 


「誰が?」

「えへへ」顔がにやけているよ、祥子ちゃん。


 映画館について驚いたのなんのって・・・


「よお、席、とっといた。」と村山君、祥子の彼氏。


 祥子がにやける相手って村山君しかいないよな(^^ゞ
 なーんて余裕ブッこいてる場合じゃなかった!!

 町田と須田と、広瀬!!??

 町田と須田、千歳と千尋はお互い承知だったらしい。
 楽しそうに話し出した。


「ちょっ!」


 慌てて祥子を引っ張ってロビーへ出た。


「仕組んだのね!」


「仕組んだって、そんな言い方しなくったっていいじゃない、クラスメイトで遊ぶののどこがいけないのよ。」


「私は四人だと思っていたから、」

「村山君たちとは会えたら会おうねってだけで、確約していたわけじゃないの、さっきからメールやりとりしていたの見ていたでしょ?今日の今日よ、決まったのは!!」


 言い争っているところを後ろから肩に手をかけられた。


「俺、帰るから。鎌田は楽しんでこいよ。」


 広瀬は本当にとっとと出口を出て行ってしまった。
 再入場できないはずなのに・・・


「ワコのバカッ!!強情娘っ!!」


 祥子は行っちゃった。
 村山君のところに違いない。


 取り残されちゃった・・・ 


 ワコが悪いの・・・?


 ワコが悪いんじゃないよ・・・
 広瀬も誘うなんて、それはひどいよ・・・




 映画・・・どうしよう・・・




 上映時間ギリギリに入って一番後ろで立って一人で見た。

 ワコと広瀬の分の席は空いたままだった。

 あそこに二人で座れって?

 冗談はやめてよね。



 映画の泣けるところでボロボロと泣いた。


 みんなが出てくる前に映画館を出て、トイレへ行って個室でずっと泣いた。


 祥子と千歳と千尋の声がした。この映画館ってトイレはここだけなのか?


「ワコ、ちゃんと広瀬君に会えたかしらねえ。」

「知らないわよ、あんな強情娘。」

「でも無理矢理仕組んだも同然、」

「千歳までそんなこと言うの?広瀬君を誘えるかどうかは本当に今日まで分からなかったのよ。広瀬君、用事があったらしくって。でもメンバーにワコがいるって知って、すごく頑張って用事をなんとかしたみたいなのよ。それなのにワコのバカったら、」



「ワコにとっては余計なお世話だったんじゃないの?あの恐ろしいくらいの拒絶だもの、絶対中学で相当なことをされているのよ、そういうことも知らずに、」


「じゃあ私が悪いって言うの?だいたいあそこまで拒絶しなきゃならないことって、どんなことがあるのよっ!!」


「例えば、いじめられた、とか。」

「あたしもそれくらいしか想像がつかないのよ。」


 あまり拒絶していると、色々想像させちゃうのか。


「毎朝毎朝、ワコは朝一で不機嫌だし、広瀬君は気まずい顔してるし、」

「まあまあ。六人で楽しもうよ。」

「うん、きっと今頃どこかで2人でいるよ。」

「どうかしらね。悪いけど私、村山君と別行動させてもらうわ。ムカツクし。」

「いいんじゃない?彼氏に甘えてきなよ。私たちはカラオケでも行く?」

「そうだね。須田君たちに聞いてみよう。」







 洗面台で目の腫れを冷やした。
 このまま家に帰るわけにもいかない。
 今日はママもパパも家にいる。
 早く帰れば、詮索はされないかもしれないけれど、何かあったってバレバレだ。




 仕方なくて大きな本屋に行った。
 あちこち見回って楽譜のコーナーにいた。


「友達と別れたの?」


 !!!


 彼が見ているのはベートーヴェンのソナタ集だ。もうそんなに弾けるのかな。


「少しは、仲良くしてくれないかな・・・」
「・・・・・・」


 次はショパンのバラードだ。ショパンも弾けるの?


「映画、見そびれちゃったな。せっかくお金払ったのに。」


 あ・・・、それってワコのせいなんだろうか・・・


「本当に、よかったら、なんだけれど、ケーキ、食べない?当然奢るよ?」


 もうお昼はすぎたか。


「このまま帰ったら親がうるさそうでさ、夕方まで時間つぶしてるんだ。もし君もそうなら一緒に別々の時間をすごそうよ。」


 一緒に別々の時間?


「一緒にいるだけ。僕、移動するから、おいしいケーキ屋さんを知りたかったらついてきて。無料フレッシュオレンジジュースと無料モンブラン付き。」


 どおしよお。
 広瀬、本当に楽譜を片付けて行っちゃう。



 無料!!
 ケーキ!!!
 フレッシュオレンジジュース!!!!





 もらわなきゃ損だっ!!!!!



 広瀬から3mくらい後ろを歩く。
 人が多いから見失わないように。



 あれ、あれ、あれれ?
 広瀬ぇ、足、速いよっ!!!


 キョロ、キョロ、キョロロ!!!



「こっち」
「うわっ!!」



 横から引っ張られた(^^ゞ




 黙々とケーキを食べた。

「おいしい?」

 声かけられてビクッとしちゃった。

 うん、と黙って頷いた。

 広瀬はコーヒーだけ頼んで店に置いてあるマンガを読んでいる。
 もうお昼を食べたのかな。



 その後広瀬の提案で、二人で映画を見直した。
 もちろん広瀬の奢り。席は、前後にした。
 でも今度は泣くのは我慢した。



「今日は付き合ってくれてありがとう。またね。」




「・・・ご馳走様でした!!」





 頭を下げてダッシュした。









 家に帰った広瀬君が、机の上に小銭をバラバラと落としながら、「危なかった(^^ゞ」と言ったのを、ワコは当然知らない(^^♪
 カードは持ってる広瀬君だけれど、ワコの前で下手にカードを使い、「金持ち!」ともっと嫌悪されることは、避けたかった(^^ゞ 「腹減った!!」とは広瀬君。男は辛いね。

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