センセ、絶好調!!   (小説です(^^ゞ)

センセに襲われるんですか?
 『魔笛』の土曜日。

 練習に行かなくってもストリップさせられるとは思わないが、なんらかのうっとうしーー、言いがかりを付けられるのは目に見えている。広瀬が迎えに来たから行くことにした。

 『アニー』組はダンスもあるから学校でのレッスンに変わったそうだ。曜日も違うらしい。今日はワコと広瀬だけ?寂しいなあ。

「ワーコ。」

 千歳と青木陽子がやってきた。

「え?」

 ゲゲゲ、2人の後ろにブルドッグもいるっ!!!

「こんにちは、鎌田ワコちゃん。工藤美咲よ。隣の7組。よろしくね。」

「実は『魔笛』もなんだ。」

 千歳とブルドッグはとても嬉しそうだ。青木陽子さんはあまりやりたくないみたい?








 練習に入る前に暫定の台本が渡された。
 当然のようにワコはパミーナ姫になっていた。



 (-_-;)(>_<)(-_-;)



 ちなみに広瀬がタミーノ王子。
 広瀬が物陰でヨッシャと呟いた。
 そんなに喜んでくれるのなら、悪くないか。


 いやいや、悪い!!


 さーーて、どうやって断るか・・・<(`^´)>
 台本を読んでみて驚いたのなんのって・・・。


「ワコも台本に参加してたの?」
「・・・(>_<)・・・」 やっぱり・・・ワコの訳したところは『鎌田和子訳』ってなってた・・・


 って、


「須田君も?」 いつ来た・・・?
「驚いた? 実は俺も歌えます。」
「おおおーーーっ!」パチパチパチパチ!!



 って、いやいや、



 せんせいっ!! 後ほどお話が・・・
 うぅぅぅぅ、ケーキだけじゃ済まさないよっ!!!





 ってセンセ、今いないみたいだし・・・
 ってセンセ、モノスタトスだ。






 え・・・センセがモノスタトス???

 どうして???

 奴隷の1人って言っていたはず・・・








にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

無理なんですよ
「うわっ・・・、ワコちゃん、すごい・・・これ、甲斐先生とやるんだ・・・」
「すごいねえ・・・」
「教師と生徒ってやばくない?」


 うんうん、そうだよね、うん。


「これは広瀬のせいだよ。」
「広瀬、ですか?」
「広瀬のワコちゃん好きが有名で、演劇部で頼んであったヤツが断ってきたの。たとえ役でもワコちゃんのことを襲ったりしたら、広瀬に殺されるってさ。」
「す・・・すみません・・・」



 ・・・(-_-;) 広瀬のアホ・・・


「広瀬、かわりにモノスタトス、やる?」

「え・・・」


「でもなあ、タミーノ王子はやっぱり歌えないとダメだろ。
出番も多いし。モノスタトスは演劇部のヤツに、歌はなくししてやるって条件で頼んであったんだよ。」


「なるほど・・・」

「歌える人を優先して配役に付けるとなると、どうしてもこの配役になっちゃって。甲斐先生、うまいだろ?なんとか頼み込んだんだよ。」

「なるほど・・・モノスタトスにはいい歌が一曲ありますもんねえ。」

「でも・・・先輩、この台本ってやばくないですか?」

 やばいですよ。






モノスタトス(甲斐)「またお前か、漢字テストが悪いにもほどがある。
          罰としてお前を襲ってやる。」
パミーナ(ワコ)  「やめてください、どうかお慈悲を。」
先生「だったらもっと勉強してこい。さあ、どうやって料理しようか。」
ワコ「バレたら懲戒免職です。」
先生「バレなきゃいいんだ。」





「悪ふざけしすぎたかなあ。」

「うん。」


「じゃ、これくらい、どうかなあ。」



モノスタトス「かわい子ちゃん、こっちへおいで。」(無理矢理腕をつかむ)
パミーナ「やめてください、どうかお慈悲を。」
先生  「こんなかわいい子に手を出すなって?ご冗談でしょ。」
ワコ  「ザラストロ様がお怒りになりますよ、どうか・・・」
先生  「愛し合っていまった後ならザラストロだって文句は言うまい?」
     (キスを迫る)




「で、続く歌がこれなんだけれどね。」



『♪キスして抱きしめて』
モノスタトス 俺のかわい子ちゃん
パミーナ   ひどすぎる仕打ち
先生   おいで、俺の胸
ワコ   死んでしまいたいこんなはずかしめ受けるなら、でもお母様が悲しむ
先生   鎖で縛るぞ、捕らわれの身さ
ワコ   かなうのならばどうかこのまま死なせて








 無理なんですよ、マヒロ先輩・・・







にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

やるって言ったっけ?
「マヒロ、どうしてもパミーナとのやり取りをさせてから歌にもっていきたいわけ?」




 おおおーーーとみんなでどよめいた。

 どっか湧いて出た?

 須田といい、センセといい、「こんにちは」くらい言おうよ(-_-;)





「先生、私、パミーナなんて出来ません!」


 ここぞとばかりに叫んだ。


「そりゃ、こんな台本見せられたら、鎌田でなくても、みんなイヤがるさ。」


 ほーーー(^^♪、やっと分かってくれた。




「やーーーっと鎌田が、

エッチなことナシならやるって、

言ってくれたばかりだったのに。なあ、鎌田。」







「・・・は・・・(-_-;)・・・い・・・(^^ゞ?」










 あたし、やるって言いましたっけ(^▽^;)???


にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

勢ぞろいで硬直しましょ
「マヒロ、ここは会話のやり取りはナシで、歌はドイツ語って決めたでしょ? せっかく俺がパミーナ姫を説得したのに、台無しにしないでよ。」



「でも襲われようといていることを伝えないと。後で歌うモノスタトスの歌詞が生きませんよ?」



「大丈夫だよ、パミーナにモノスタトスを怖がらせておけばいいのさ。鎌田の演技を見くびる必要はないさ。3年続けて主役だよ?」



「い、いや・・・センセ???」



「鎌田はいつも自分のことを卑下するけれど、優子先生が鎌田の舞台を絶賛しているのは知っているだろ?」



「それは知ってます。でも生徒が先生に襲われるなんて、話題としては一番ですよ。先生とワコちゃんが色々とトラブっているのは、かなり子が知っています。使わない手はないです。」



「マヒロ、それはインモラルだよ。そんなことしたら、鎌田は絶対にやってくれないし、ここにいる子、みんなイヤがるよ。」



「うーーーん。」と頭を抱え込む先輩。


「センセ・・・」 そういう問題じゃなく・・・


「待って、もう一息だから。マヒロを説得しないと。商業演劇じゃないからさ。高校の学校祭なんだからさ。」



「いや、でも、襲う襲わないって話、実はオペラというものが、とても人間臭いテーマを扱ったものである、ということをみんなにも分かってもらういいチャンスです。やっぱりそういう要素も取り入れましょうよ。」


 形勢一気に逆転。

「いや、でも、マヒロ、」



「分かりました、折り合いをつけましょう。歌の前のやり取りは一切ナシ。その代わり日本語でお願いします。いきなり歌では、多分観客は理解できないでしょうから、ナレーションを入れるか、解説をつけるかします。これでどうですか、先生?」



「・・・やるのは鎌田だから、俺は決められないし・・・。」



「どうかな、ワコちゃん・・・」



「先輩、わ」

「ジュースを買いに行きましょう!」




( ̄ー ̄; ←マヒロ先輩ザラストロ
( ̄ー ̄; ←甲斐先生モノスタトス
( ̄ー ̄; ←須田パパゲーノ
( ̄ー ̄; ←さくら先輩夜の女王
( ̄ー ̄; ←千歳パパゲーナと侍女A
( ̄ー ̄; ←ブルドッグこと工藤美咲侍女B
( ̄ー ̄; ←青木陽子・さくら先輩の妹侍女C






 あまりの広瀬の大声に、全員硬直。

「ね、煮詰まっちゃいますから、ジュースでも飲みましょう。俺とワコで買ってきますから。」



「ワコちゃん、ほら、僕たち下っ端だし、ジュース、買ってこようよ。先に行っててよ。」 広瀬はワコに部屋から出るように促す。

 それもいいかも。

 わけが分からなくなってしまう前に部屋を出よう。





 ワコが出た部屋の中で、どんなやりとりがなされたのかなんて、知らない。

 ワコは1人で中庭に来た。





にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

じめっとした暑さが似ている
 中庭。

 この間もここでジュース飲んだっけ。

 そいえば100円、広瀬に返してなかった。

 このまま忘れたままにしてもいいかな?

 




 広瀬は「俺、みんなにジュース置いてくるから。」と忙しそうに走り回っている。


 あなたは優しい人なの?

 それともイヤな人なの?

 小さいときから知っている、学院で同じクラスだったあなたは、発表会の前はいつも泣いていた。それが、出来ない悔しさの涙だとは分かっていたけれど、泣くくらいなら毎日練習しろよと思っていた。

 中学で会ったあなたは、全くイヤなヤツで、実はしばらくは二重人格なんじゃないかと思っていた。

 高校に入ってからのあなたは、普通の人だね。


「お待たせ。」

 広瀬がどっかりと腰掛けた。

「あーあ、疲れちゃったや。何?」

「ジュース代。」

「なんで200円なの?」

「この間の、琴音たちとの時の。」

「じゃ、100円もらうよ。今日のはシェルの奢りだよ。」

 センセの?

 何人分? いくらなんでも・・・ 後でセンセに返そう。

「あーあ。謝ることしかできないよ。僕のせいだから。」

 微妙に一瞬震えた自分がいた。
 じめっとした暑さが似ている。

「台本、まだみんなで話し合ってた。ワコちゃんは今、自分に出来るのかどうか、悩んでいるところだ、と話してきた。パミーナ、やってくれないかな。」


「・・・・・・」


「あんなストーリーだったんだね。少しでも予習して、先回りして、先に君を説得するんだった。」



 あんたも説得したいの?



「せっかく君がお姫様だと思って喜んでいたのに、自分で共演できるチャンスをつぶしてしまっのかな。」




 ワコには「断る」という選択肢はないの?



「ダメかな、甲斐先生には無茶な演技をしないように頼んでみるから。」

「そしたら理由を聞かれるよ?」




 そうだよ、理由を聞かれるよ。

 そしたら先生はワコをどんな目で見るのだろう。

 知られるくらいなら、怒られてもなんでも魔笛を外してもらう!



「優子先生に掛け合ってくる。やっぱり『魔笛』から外してもらう。」

「ワコ、待ってよっ!」



 立ち止まった。


「も少し、考えようよ。」

「何を? 何を考えるの? ワコにはこんな役、できないよ。」

「やる前から諦めないでよ。やってダメなら考えようよ。」


「そんなことしたら、みんなに迷惑がかかるし、何よりも、私がこんな役出来ないこと、あなたが一番知っているでしょ?」


「ワコッ!! 謝れって言うんなら、何度でも謝るからっ!!

お願いだから、」




「『アン』も、やるのよ?

あなたの言うこと、聞いたじゃない。

今度は私の言うことを聞いてくれてもいいんじゃないの?

ワコには、断る権利もないの?」




「ワコ、落ち着こうよ。」




 落ち着く???

 どうしてあなたの口からそんな言葉が出るの?

 あなたにとってはすでに過去になったということ?

 過去の1ページにしてしまったということ???






 なんだか無性に哀しくなって、

 いきなり涙がはらはらっと・・・



「ワコ・・・」

 広瀬が近づいてきて、ハンカチを差し出してくれる。

 その優しさが・・・

「ひゅ〜〜〜、もうラブシーンの練習?」


 バッシーーッン!!



 思っきり広瀬を引っ叩いた。







にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

つっかまーえたっ(^^♪!
 逃げましょお、ったら、逃げましょお・・・

 叩いちゃったよ ほっぺたを・・・

 びっくりしたよ 何にって?

 自分の行動に決まってる・・・






 

 走って・・・

 荷物なんか置いてっていいよね。

 今度持って帰ればいいよね。






 だんだんと速度が落ちて・・・

 トコトコトコと・・・

 手のひらが・・・

 いたいです・・・








☆\(◎o◎)/!!☆#"



 な、なんすか???
 なんかすごい衝撃が加わった???



 気がつけばあいつに抱きかかえられてたわけで・・・


 フゲッとか何とか音は出たと思うけど・・・


 こんなことをするヤツは1人しかいないわけで・・・





 ?(@へ@;)?/






「よお、パミーナ姫、どちらへ? ・・・・・・・・・大丈夫???」

 センセがワコの涙に気づいたみたい? んなことより・・・

「(◎へ◎)大丈夫じゃないよ・・・何、したの? 足、出した???」

「い、いいや、そんなことしてないよ(^^ゞ?」





 新手のセクハラかよ・・・





「どこ行くの?」

「(@_@;) 帰るんだよぉ (@_@;)」 まだなんだかフラフラする・・・ えっこらせ・・・ センセから離れないと・・・ 自分で立たないと・・・

「なんで?」

「なんで・・・? なんで・・・」だっけ・・・、あれ?



「つっかまーえたっ(^^♪!!!」






 ゲッ・・・

 つかまった・・・





 



にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

ニャ〜〜〜
 レッスン室まで強引に、やっぱり首を持たれ連れていく。


「にゃ〜〜〜(-_-;)」


「なんなら肩抱こうか?」


「んニャッ(>_<)!」


「じゃ、首だよ。」


「にゃ〜〜〜(-_-;)」








 でレッスン室の中。 

「放したら逃げる?」

「ニャニャニャ」

「ほんと?」

「ニャー」
 ニャッシュッ!!!

 と手を放してくれた瞬間に、また捕まった。





「あのね、読まれてるから。」

 (>_<)







「パミーナ姫はご機嫌斜めだから、ちょっと見ててもらおうね。」

「なんか、先生とワコちゃんって、『トムとジェリー』みたいですよね。」

「ああ、ネコとネズミのマンガ?」

「そう。先生がトムでワコちゃんがジェリー。」

「でもあのマンガって、たいていの場合ジェリーが勝つんじゃなかったっけ?」


 

 須田は楽しげに笑っている。

 広瀬は笑おうとしているようだ。

 あの後2人はどういう会話をしたのだろう・・・







 足首に紐を結ばれて、グランドピアノの足に繋がれたっ!!

 ブー(○`ε´○)!!

 みんなが練習している間、膝を抱えて床に座っていたら、先生がクッションを持ってきてくれた。


「お尻、冷えるよ。痔持ちのお姫様って嫌だから。」


 反抗したい気分だけれど、そんな気も起きない。


「あ、ごめん、もう痔だった?」


 思っきりクッションを先生に向かって投げ付けた。

 当然のごとく先生はクッションを避けたから、何も知らずに気持ちよく歌っていた須田に命中した。


 あはははは・・・

 悪い、須田(^_^;)






にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

逃げ切れますか?
 ワコのことなんかそっちのけで練習は進んだ。
 さくら先輩の指導で、5人で歌う歌の練習をしている。須田と広瀬と千歳とブルドッグと青木陽子。一年生5人ですでにいい感じだ。

『フムフムフム』
 最初はタミーノ広瀬須田パパゲーノの掛け合い。
 パパゲーノは嘘をついたお仕置き!として、3人の侍女たちに口を利けなくされてしまう。それをタミーノが「かわいそうだけれど、どうしようもない」と同情する。パパゲーノはなんとかしてくれ!!とタミーノに訴える。
 そこへ3人の侍女たちが登場。
 お仕置きを解いて、自分たちの主人であるところの、夜の女王の娘、パミーナを救いに行ってくれ、と頼む、そんな歌。



 綺麗なハーモニー(*^_^*)



 センセとマヒロ先輩はまだ台本の話をしているらしい。

 ま、ワコには関係ないや。










 それにしても・・・

 この結ばれ方はあの時と全く一緒だ。

 あの時と違うのは足首の結ばれ方。

 あの日、足首にしっかりと結ばれていた縄は、今日はいくらでも足を抜けるほど緩い。しかも細い紐だから、引きちぎれば逃げられる。逃げようと思えば逃げられる。ただ怖くて逃げられなかったあの日。あの日も西成達はゲームに夢中でワコには逃げる時間はいくらでもあったのだ。
 捕まっていたのは、きっと


 今は?


 あの日、逃げられなかったけれど、

 今日は、逃げよう(*^_^*)!!!



 みんなは練習に夢中。
 先生だけが使う、準備室に通じるドア。こっちはグランドピアノからとっても近い。



 よっしゃ(*^_^*)






にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

甲斐君だって鬼じゃないって
 ゆっくりゆっくり、誰も気付いていない。

 ドアも開いている。

 四つん這いにになってドアを潜り抜けて、ふぅ、と立ち上がった。成功(^^♪




「ワコちゃん、トイレ?」


 (゜-゜) 優子先生・・・


「どうせ逃げるだろうから見張っておいてって言われていたのよ。」


 見透かされている(>_<)


「パミーナ、イヤなんだって? どうして?」


 パミーナがイヤな理由はしっかりあるが、その前に、普通、舞台、イヤだろ・・・


「何がイヤなの? パミーナだけを嫌がる理由って、襲われるシーンのこと? それくらいしか想像がつかないんだけれど。あ、こんなことは甲斐君には言ってないけど。」


「パミーナとかって前に、舞台、イヤです。」


「去年のこと? 少しだけ聞いたけれど、いじめに合ったって本当なの?」 ため息交じりの優子先生。


 今さら隠しても仕方ない。


「はい。」



 いじめられたことをすんなり認めたから、優子先生が固まっちゃった。



「去年、ピアノの音色が暗かったのは、そのせいね。」



 うん、と黙って頷いた。



「でも今は、」 もう昔のことだと言いたいの?


「そんな簡単じゃないです、

甲斐先生も優子先生も、

勝手なことばっかり言わないでください。

学校でアンもやるんです。

それも無理矢理です。

もう目立ちたくないんです。

またいじめられる・・・

もううんざりなんです・・・」




「・・・ワコ・・・」



 優子先生がぐわっと抱いてくれた。
 頭、撫でてくれた。

 

「去年、なんとなく気付いていたんだけれど、ごめんね、何もしてあげなくて。」



 涙目・・・本日二度目の涙。

 優子先生がワコのほっぺを包み込んだ。



「そういうことがあったことを承知で頼む。パミーナ、やってあげて。」



 優子せんせい・・・
 断りづらいけれど・・・



「イヤです・・・」



 優子先生は考えあぐねているようだ。



「分かった。分かったよ。うん、分かった。」



 ごめん、優子せんせい・・・



「ワコが私に逆らうのは初めてだもんね。分かった、ワコの気持ちはよく分かった。分かったけど、甲斐君の説得は、自分でして。正直に話せば、分かってくれるんじゃないかな。」



 甲斐先生はもう知ってるんだよ、いじめられたことは・・・



「パミーナ以外ならいいの? だったら練習、一緒にいたほうがいいよ。」



 優子先生はワコの涙を拭くと、優しくホールへ押し出した。



「甲斐君だって鬼じゃないって。」



 そうかなあ・・・ 鬼にしか見えないよ・・・







にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

空気、凍らせますっ!
 みんなの練習は終了。ただの雑談時間に突入した。


「ねえ、ワコちゃん、襲われるシーンがイヤって本当? 先生は襲うわけじゃないって。襲いたいっていう歌を歌うだけで、」



 パミーナにこだわるとこれだ。
 『魔笛』をイヤだ、と言ったほうがよかったかなあ・・・



「甲斐先生、お話しがあります。」

「えーーー、俺に告白?」


 先生は嬉しそうにニタニタっとした。


「とても大事な。」


 鬼じゃない、と言われた甲斐先生、今回、ワコはまじめですっ!!


「分かった、聞くよ。」まじめな声になってくれた。


 広瀬の顔から血の気が引いて、
 千歳とブルドッグがニタッとした気がした。
 空気が凍ったのは確かだ。






にほんブログ村 恋愛ブログ 教師と生徒の恋愛へ 人気ブログランキングへ

カスタマイズ