センセ、絶好調!!   (小説です(^^ゞ)

確信犯
「ワ〜コ〜、迎えにきたよ(^^♪ 小母様、こんにちは。お久しぶりです(^^♪」


 ったく、バカ正直っていうか。
 いくら約束したからって、半分絶交状態だったのに。
 乗せてってくれるのは有難いから乗ってくけどさ。
 昨日はアンのことがあって、一緒のお弁当も無視したのに。
 (ワコが一人で食べるハメになったやつ・・・)
 てっきり今日は来ないと思ってたよ。


「ねえ、『魔笛』なの?」

「うん。毎年学校祭で学院生を中心に、クラシックっぽいのを何か一つやるらしいよ。」


 毎年って、この後2年もこういうのに付き合うんかよ・・・

 つうか・・・

 『魔笛』
 
 とってもとってもイヤな予感がする・・・



「ワコはパミーナ姫だってね。実は女の子が足りなくて困っていたんだ。」

「・・・・・・・・・」 パミーナって、あの襲われるパミーナか・・・


 っつうか、


「足りない?」

「最初なんて青木さくら先輩しかいなかったんだ。」

「他の子、いないの? 二年とか、青木陽子さんとか。」

「さあ。俺はよく知らない。」


 まあ、知らないか。広瀬が音楽にそれほど興味があるとは思えないもんなあ。


「男の子は?」

「マヒロ先輩と俺だけだったけれど、5月から須田が入って、それから甲斐先生もやるらしいし。」

 やっぱり・・・

「ちょっと待って、須田が5月からって、あなたはいつからやってたの?」

「俺は4月から。」



 よくやるわ・・・



「演劇部のアニーも5月からやってるよ。」



 演劇部って・・・千歳と千尋・・・



「じゃ、甲斐先生は?」

「シェルはこの間一度来た。上手だったよ。」

「歌ったの?」

「歌った、イタリアの曲? 優子先生と二人で歌ってくれたよ。マジ、上手い。」

「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」

「そう、それそれ。」



 へええぇぇぇ・・・・・・
 つうか、優子先生の大好きな曲だ。
 つうか、なんで甲斐先生がそんなにからむんだ?



「ちょっと聞いていい?須田や千歳と弁当食べてて、よくその話題が出なかったね。」

「学校でこの話題は禁止されている。まだ確定じゃないし、もし確定しても、詳しい内容は直前まで伏せておいてほしいって。」

「なんで?」

「話題づくりをするんだって。『魔笛』ってオペラでしょ。難しいと思われがちなクラシックにお客さんを呼ぶために、直前に色々と話題づくりをやるらしいよ。これからもしばらくは『魔笛』の話は学校ではナシね。」


 へーー、フーーン(-.-)、こってるねえ・・・


「俺さ、半ば強引に押し付けられた。そのときにワコのことをチラッと話しに出されて、ワコが出るならいいかとも思って引き受けちゃったんだ。」


 人の知らないところで・・・


「だから初めからワコはメンバーに入っていたと思うよ。」



『鎌田にも学校祭の出演依頼がいく』

 こう言われたのは遠足の後、えびせんべい持ってった時・・・

 あの時、すでにこの話はあったんだ・・・

 確信犯すぎるよ・・・。




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完敗
 音楽学院のレッスン室に到着。

 ワイワイ、ガヤガヤ・・・
 ザワザワ、キャキャキャッ・・・

 なんだが楽しそう(^^♪
 須田と千歳と千尋がいる。
 青木陽子もいる。
 げっ、ブルドッグもいる・・・あいつも演劇部?
 うちのガッコの演劇部って、結構大きかったんだ、知らなかった。

 全員で発声練習した後、『アニー』は別で練習らしい。
 マヒロ先輩とさくら先輩に導かれて移動した。


「みんな『アニー』に出るんだね。」

「出ないのは俺たちだけなんだよ。」

「うそ・・」

「ホント。俺も誘われたもん。君は誘わないって聞いたから断った。」

「ん?」

 ワコは誘わないのか。有難いけれど、なんで?

「君をアニーに誘ったら『魔笛』組に殺されるんだって。」


「何? それ・・・」

「さあ。」



 甲斐先生と音楽の赤城先生が来た。



「赤城先生もなの?」

「この間も来ていたから、ひょっとしたら参加かなあ。」



「わざわざお休みのところ、ありがとうございます。」

「今年もまた、よろしくお願いします。学院のみなさんの演目は芸術性が高いので、毎年楽しみですわ。」

 先生たちのご挨拶(-_-;)

「ワコ、義成、おいで。パミーナとタミーノ役の子です。 この2人、ご存知ですか?」

「選択で音楽ですから知ってますよ。二人とも音楽は得意ですもんね。学院の生徒さんだったんですね。納得です。」

「二人とも舞台経験はすでに何度もありますから、今年はいい舞台になると思いますよ。」


「あの、優子先生、」


 何がパミーナとタミーノだっ!!
 絶対に黙っている場合じゃない。



「二人とも私が小さいときから手塩にかけて愛しんでまいりましたの。本当に才能豊かな子たちで、」

「優子センセッ!!」


 無視かよっ!!


「恥ずかしがり屋のところがちょっと玉に瑕なんですけれどね。」


「優子ッ!!!」
 ギャッ!!!(>_<) 首絞められた(>_<)




「うるさいっ!!話は後ッ!!」


 完敗(-_-;)・・・

 手塩にねえ・・・(-_-;)



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ケーキ食べたから
 赤城先生との話がひと段落ついたようなので・・・


「ねえねえ、なんでワコが『魔笛』やんの?」


 優子先生のところでジタバタジタバタ、悪あがき(>_<)
 そしたらセンセが口出した。


「ケーキ食べたから(*^_^*) 食べたら音楽室に集合(*^_^*)」

「一体いつから仕組んであったのよっ!!!」

「仕組んであっただなんて、人聞きの悪い。」

「ケーキ、食べなかったらよかったの(>_<)?」

「だって食べなかったらあの紙に気付かなかったでしょ? おいしかった?」


 そりゃーー、おいしかったけど(*^_^*)


「食べなくっても呼び出しだったんでしょ?」

「君がケーキを食べないだなんてこと、ありえる?」



 フンッ(*`へ´*)!!!





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メイドの衣装?
 無視したところで仕方ない。
 練習はワコと広瀬だけ。
 甲斐先生と赤城先生は何かを相談しているみたい。なんだろ。


「そろそろ発声練習も飽きた?」
「ワコはやっぱり上手ですね。」
「そりゃ、5月からずっとレッスンで発声練習させてたもん。」


 あの発声練習、
 受験対策かと思ってたら・・・
 『魔笛』対策かい・・・
 いったいどこまで用意周到に・・・
 ったく・・・断る気力をなくすなあ・・・


「ねえ、2人でこのデュオはどう?」

『愛を感じる男なら』                    注)モーツァルト『魔笛』の中の一曲です

「パパゲーノとお姫様の歌で、あなたたち二人の歌ではないんだけれどね。」

「優子先生、だから、ワコはパミーナなんてやんないよ?」

「まあまあまあ、だったら二人でパパゲーナとパパゲーノにする?それでもいいよ。」


 広瀬はいいのかなあ、案外演劇が好き?
 ギルバートだって立候補してたし。
 いやいや、今は広瀬のことはどうでもいい。
 とにかく自分だっ!


「いや、だから、ワコはコーラスのお手伝いとか、そんなんがいいって。『魔笛』なら三人の侍女があるじゃん、せめてあれの三番目の侍女とか。」

「メイド喫茶の衣装を着せようとしているみたいだけれど、いい?」

 へ(゜-゜)?

「それ絶対見たい〜〜〜(*^_^*)!」

 ブゥッ(>_<)

「配役は今あの二人が煮詰めてるわよ。」

 煮詰めるって・・・グツグツ・・・


 うーーーむ・・・








 トコトコトコと足音立てて、気付くように近づいた。

「甲斐先生?」

「ダメだよ。」

「まだ何も言ってないっ!!」

「だってパミーナはイヤとかって言うんだろ?」

「そうですっ!!!」





「つうか、お前、すんごいうぬぼれてない?」

 え?

「自分がお姫様を任せてもらえるほどの実力の持ち主だと思ってるの?」

 (゜-゜)・・・

「お姫様やりたいなら、もっと練習しなさい。」

 (゜-゜)・・・

「ほら、もっと練習してこいよ。」

 (゜-゜)・・・・・・・・・いや、だったら帰るよ・・・               当然帰れるわけもなく・・・


 シェルは赤城先生と途中で帰っていった。
 広瀬は待っていると言ったけれど時間かかるから、と優子先生に追い帰された。
 いつまで練習させる気だよっ!




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ほら見ろっ!
「じゃ、今日はこれで勘弁してあげる。」
 やっと優子先生の歌のレッスンから解放された(-_-;)

 はぁ〜〜〜疲れた

 優子先生はケーキと紅茶を出してくれるけど・・・



「ワコ、パミーナじゃないよね? さっき甲斐先生もうぬぼれるなって言ったし。」

「ケーキ、もう一個食べる?」

「あるの?」

「もちろん(^^♪」

 ヤッターー!!!

 でも・・・あやしい・・・

 ちゃっかりケーキはいただくが、




「ねえ、ワコはパミーナなんてやらないよ?」

「だったらパパゲーナはどう?」

「いやだよ、緑の化粧とかされちゃうんでしょ?」

「さあ、それは知らないけど。パパゲーノは緑の衣装のことが多いし、それに合わせることになると、緑の衣装であることは、間違いないと思うわ。」

「でしょ? ヤだ。」

「だったらパミーナでしょ。」

「だって襲われるんだもん。」

「何も本当に襲われるわけじゃないわよ?」

「そんなの当たり前じゃん。そうじゃなくって、ワコはコーラスとか、そういうのがいい。」

「あれ? メイド喫茶の衣装って聞いたから、三人の侍女もイヤになった?」

 うん。

「マヒロたちはあなたにお姫様をやってもらいたがっているけれど、とりあえず『魔笛』に出ることは承知してくれるれのね?」

「だって、今さら、イヤだ、出ない、なんて言えるの? なんだか随分前からワコを陥れる準備がしてあったみたいだし。」

「陥れる準備って・・・まあ、その通りだけれど。」

ほら見ろっ! なんで広瀬みたいにもっと早く声をかけてくれなかったの? 最初はワコをはずしてあったとか?」

「ううん。最初っからワコはメンバーだったよ、3月から。」

「3月!?」

「合格発表の日から。」

「言ってくれればよかったのに。」

「3月の段階で、素直に『お願い』と頼んだとして、やってくれた?」

「う・・・」絶対やらない(^^ゞ

「ほら見ろっ!」

「それで春休みにワコの歌の特訓をやったの?」

「違うよ。それもあるけれど、みんなに心配されたのも事実だし、広瀬が泣いて頼んだってのも事実。『魔笛』のためだけにやったわけじゃないよ。」

 ふーーん。




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一代前の愛弟子
「それにしても、あの時のワコの声、本当に綺麗だったわ。みんなの前で歌えるのかしらってずっと心配だったから、歌えてよかった。」


 琴音のミニ・コンサートってやつ?


「びっくりしたよ、急にミニ・コンサートはいかが? だもん。さすが、お嬢様は言うことが違うわ。」


「違うわよ、ワコ、あれは琴音ちゃんが協力してくれたのよ。ワコがちゃんと私以外の前で歌えるかどうかの確認がしたくて。」


「・・・ん?」


「こっちは『魔笛』よ。みんながあなたを出したがって、でも私としては反対だったの。もう1年待ちたかったのよ。でもみんなに押し切られちゃった。」


 ・・・んん??


「あの後すぐに甲斐君に電話してさあ、ワコは歌えたから、後は甲斐君の目と耳で、ワコが舞台に立てそうかどうか確認してくれって頼んだのよ。そしたらあんたの声、すごく綺麗だったって、もう甲斐君、あんたにベタ惚れよ。」


 ベタ惚れ(=´▽`=)ノアヘ〜


「歌ってくれてありがとうね。」

「ん?まあ・・・」
 違うよ、あれは宿題忘れた罰だってば・・・


 ん???
 なぜそこに甲斐先生が出てくる?
 よく整理がつかないぞ?



「あのミニ・コンサートって、ひょっとして?」


「事前にみんな準備していたわ。義成は久しぶりのピアノで、とにかく一生懸命練習したって。『オーホーリーナイト』の。」


「それも・・・仕組んであったってこと?」


「仕組んであっただなんて、人聞きの悪い。あーー、でもこれで安心したわ。『魔笛』、頼むわね。どの役やるかは甲斐君たちと相談してよ。他に歌えそうな子がいれば、それでいいんだし。私としては絶対にパミーナをやりなさい、とは言えないわ。」


 ???


「ねえ、なんでそこに甲斐先生が絡むの?」
「へへーーん。」


 はい?なんで「へへーーん」なんだ?



「甲斐先生って、メンバーなの? そんなに上手なの?」
「上手よ。あなたの一代前の、私の愛弟子だけど?」



 つながった・・・(-_-;)



「甲斐先生って何者?」

「ひ・み・つ」






 んもぉっ!!!
              4月16日『抱いててあげる』のラスト4月18日『文句ある?』でも言われてるね。




 
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結論!広瀬も仕掛けた側ということだっ!
 一代前の愛弟子はいいとして、なんでそれでワコがヤツの前で歌うことになるんだ?
 ヤツの目と耳で確認しろ?
 ん???
 ヤツは奴隷の1人で出るとか言ってたよなあ。
 でも監督は別の人って言ってたし、常識的に考えて監督は優子先生だよなあ。


 んんん???


「あの、よく分かんないんだけど・・・も少し説明してくんない?」
「いーーーヤッ!!」


 いーーーヤッ・・・って・・・(-_-;)
 「だから結婚できねえんだよ。」
「なんか言った?」
「なんにも・・・」

 優子ちゃん・・・性格悪いって・・・



「甲斐君に聞いてみなよ。それにしてもあの時のあなたの声は素敵だったわ。」



 しきりに満足げな顔をしてくださるが・・・
 あの時歌えたから『魔笛』のメンバーに入れられたということか?
 歌えなければよかったわけか。



「反対し続けてくれればよかったのに・・・」


「ごめんね〜、あたしのかわいいワコぉ〜、

マヒロたちが盛り上がっちゃってぇ、

とても止められなかったのよ〜、

お願ぁ〜〜〜い、出てあげて?」




 優子ちゃん、年、いくつよ・・・



「出るのはいいけど、パミーナはヤダ〜」

「まあまあ、お姫様の衣装、かわいくしてあげるから。」



 ん・・・(≧ヘ≦)
 結局優子先生の頭の中には、パミーナ姿のワコがいるわけだ。





 甲斐センセのことはまだよく分からないけれど、


 結論、


広瀬も仕掛けた側、ということだ(*`へ´*)!





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