広瀬君、再び急上昇!!!   (小説です(^^ゞ)

いいから
 リボンをしていくのはもう止めよう。

 んなことよりも、『魔笛』!!

 昨日、質問しようにも、出張だったし。


 三時間目の国語の後、


「先生、聞きたいことがあるんですけれど、あの『魔笛』って、」
「ごめん、鎌田、ちょっと急ぐ。」


「じゃ、じゃあ、昼休みか放課後、お邪魔していいですか?」
「ああ、今日はちょっと忙しい。」


「じゃあ、明日は?」
「ごめん、明日も忙しい。」


「あの、ちょっとでいいんですけれど・・・」
「その、ちょっとが難しい。その話はまた今度。」


「・・・」


 絶対にはぐらかされた(-.-)



 ジィィィィィ・・・視線?


 ゲッ!!!



 文研シェル取り巻きの西田さんと元田さんだ。




「広瀬ぇぇぇぇーーー」
「何、ワコちゃーーーーん(*^_^*)」




 逃げるが勝ちっ!!!







 その日のHR。
 1−8と2−8、合同で視聴覚室に集まった。
 二人がけの椅子に祥子と座っていたら広瀬が来た。

「北村さん、鎌田さんの横、譲ってもらえないかな。」

 へ(゜-゜)?

 祥子と二人で驚いてしまった。
 祥子は声の主が広瀬だと分かると、意味ありげに「どうぞ」と別のところへ移った。


「ちょっ、」
「いいから。」

 よくないっ(>_<)!



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何からバラしていこうか?
 広瀬が机の下でワコの手を握ってきた(>_<)(>_<)!



 放せ、ドダワケっ!!          注)←アホ、バカ、トンマの複合語、
                                   要するに怒り狂ってる(^^ゞ




 仕方ないなあって結局そのままにさせてしまうワコがいけないのかなあ。



 何なんだよ、一体(>_<)(>_<)(>_<)!



「『赤毛のアン』の台本が出来上がりました。」


 台本を捲ろうにも広瀬が手を放してくれない。
 仕方なく左手でパラパラッと捲ってみて驚いたのなんのって。
 これ、中2のときにやったのと全く同じじゃん。


 パクッたな(ーー;)


 広瀬は素知らぬ顔をしていた。
 広瀬はギルバート役だったもんなあ。
 あの時私はアン役だった。
 琴音がダイアナだったから本当に楽しかった。

 何よりいじめがはじまる前の話だ。



「じゃあ、配役。立候補。」

 二本の手が思いっきり上がった。

「ギルバート。」広瀬。
「ギルバート。」司馬先輩。

 司馬先輩は気付けば通路を挟んだ隣にいた。二人ともなんだかイヤな雰囲気。

「他の立候補の方。」

 当然だけれどそこからは誰も手をあげなかった。

「じゃ、ギルバートはジャンケン? それともダブルキャスト?」

「普通は1人をメインに立てて、もう1人は代役にします。その場合代役は他の役をやることもあります。」

「で、アンは推薦?っつーか、1年の鎌田なわけでしょ。」と2年の委員長。


 !!!


「できれば他の人で。」

 考えるより先に口走った。

「できない。」


「へ(-_-;)?」


「できればって言ったでしょ? だからできないって言ったの。」二年の委員だ。
「悪い、ワコちゃん、他に誰も推薦されなければ、あなたで決まり。」とは秋山さん。


 何故?


「鎌田さん、君がアンをやってくれると他の配役が全部決まるんだ。ダイアナは2年の伊藤。君がアンなら、という条件付だ。」


 伊藤先輩は少女のような面持ちでワコを見ている。
 一緒にやろうよ、という誘い顔。
 確か伊藤先輩もいつも主役やってたような記憶があるが・・・


「おい、鎌田の意見も聞かないとダメだ。押し付けたんじゃ、うまくいかないぞ。」

 味方は担任だけか。




「やる気、ないのか?」 広瀬が耳元だ。

 あるわけねーだろ、バカっ!!!


「俺は他のやつとアンをやる気はないからな。」

 だったら立候補すんなよ。



「こっちはそれなりにいろんなネタを持っている。」

「はあ?脅迫?」 こっちも耳元!



「こんなことしたくはないけれど、君がアンをやるのが一番いいからね。二年前のアン、確かに素敵だった。君にやってもらいたいな。」


「二年前は確かによかったけれど、今年もそれでうまくいくとは限らない。」


「やってもみないでそんなこと言うなよ。

何からバラしていこうか。

腰のほくろ?」




(`Д´メ)バシバシ!!!





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付き合ってますからっ!
 何があったって、
 ワコが広瀬を殴ろうとして、
 それを広瀬が阻止したもんだから、
 結局両手を捕まれちゃって、
 ワコは仰け反って、
 広瀬はワコの耳元に囁いた。


「やらないとは言わないよね。」


 てんめえ、許さねえっ!!


 キーーックッ!!!


 って思いっきり真ん中蹴ろうと思ったら、広瀬は腰をクイッと引いた。


「計算済み!」
「んの野郎っ!!」
「お嬢様に不似合いな。胸のサイズを言っちゃう?」


 チックショーーーーっ!!!


 って、確かに広瀬はワコのプライベートすぎる秘密を持っている。


 覚えてろっ!!!


「やればいいんでしょッ!!!」




「いい子だ。」




ムカッヾ(*`Д´*)ノ"!!






「キャッ」




 思っきり振りほどこうとして、引っくり返りそうになったら、広瀬が手を引っ張って起こしてくれる。




 っ、っうか、手、いつまでも掴んでんなよ、放せって、バカッ!!




「ふーン、喧嘩したんだ。
ワコちゃん、俺とやろうよ。
でも俺、演劇なんてやったことないんだ、色々と教えてね。
土曜日にデートがてらなんてどう?」





 司馬先輩がグッと顔を近づけてきた。




「あ・・・」


 後ろ、司馬先輩だったから、だから広瀬は慌てて引っ張り起こしたんだ!


「土曜も日曜もこいつは別の練習がありますから。」

「ふーーン。惚れてるわけね。」


「付き合ってますから!!!」



 オイッ!!▼(>_<)▼!!





「ふーーーン。」





 喧嘩はイヤだよ、面倒だ。





付き合ってるんだ〜
 放課後、

 早速今日からアン練習。

「ワコちゃん、一緒に練習に参加しましょうよ、付き合ってるんですし。」

 ムカッヾ(*`Д´*)ノ"!!

「へえ、付き合ってるんだ〜」



「一体どこの誰が誰と付き合ってるって!?」



 振り返るとそこにはシェルと広瀬が目をまん丸にして突っ立っていた。

「プププッーーー」 って吹き出したのは須田たちで、
「あーあ、バカだね〜」 と言ったのは横山君たちだった。








「あーーー、私、漢字やらないと。」気を逸らさないと、やばすぎる。
「いいよ、『アン』の練習、やってこいよ。」
「え?」
「お前の場合、漢字終わってから『アン』なんて言ってたら、ずーーーっと練習に参加できないぞ?」

 ほっといてくれ( ̄。 ̄)

「そのかわり、漢字をやらずに逃げたら、分かってますよねえ。」

 また歌えってか???
 ううう・・・
 コイツのこの性格をなんとかしてくれっ!!

「今度は絵でも描きましょうか(-_-;)?」
「お、いいねえ。玄関に飾ろう。」
「そんな立派な玄関なんですか?」
「うん、お前の絵と同等。」

 ワコの絵がうまい・・・立派な玄関
 ワコの絵が下手・・・立派でない玄関
 センセってワコの絵、見たことあるのか?
 決してド下手ではないが、うまくもないぞ?

「どういう意味なんですか???」
「どういう意味なんでしょう。君のポートレートで頼んだね。」

 どこまで本気にすればいいんだ・・・
 理解に苦しむ・・・

「逃げたらねッ!!!」

 で、先生は涼しい顔して漢字テストの居残りやってるし。










「ワコってシェルの前で本当に歌ったの?」
「いいえ。」
「ふーーん。」

 広瀬に歌ったと言えなかった。


「まあいいや。これで一緒に練習できますね。」


 ったく!!(−−〆)!!!


 結局一緒に行く事になる。


「ちょっとひどくない? あのアンの押し付け方。」

「どっちみち俺は君に嫌われているんじゃないの?だったら今更。それに本当に中学のときは、すごく素敵だったじゃないか、特にお母さんを思って歌う歌。」

「ああ、あれは会ったことがない、もう一人のおばあさんのことを想って歌ったの。」

「ああ、ワコの両親って、確か駆け落ちしたんだっけ。」

「うん、だから父方の親戚とは会ったことないんだ。」

「ふーーん。」



 練習に使っていいと言われたのは、普段は誰も使わない空き教室。

「ワコ、一緒に出来て本当に嬉しいわ。」葵先輩は心底嬉しそうだし、

「ワコちゃん、俺、演劇なんて本当に初めてなんだ。どうやればいいの?セリフ、合わせてみてよ。」


 司馬先輩は広瀬がいようといまいと関係ナシに寄って来る。他の男子は広瀬がいるときなんて絶対にワコの近くになんて来ないのに。
 別にぃ、いいんだけれどぉ・・・アンとギルバートの会話って少ないのね・・・劇中で二人はケンカするという仲だから。

「ニンジン、ニンジンっ!って、ワコちゃんは本番はどうするの?赤く染めるの?」

「そんなことしないですよ。毛糸ででもカツラを作るんだと思います。」

「染めてみたら? きっと素敵だよ。」

 ほっといてくれ。ワコはこの黒髪が好きなんだっ!!

「ワコーーー、ダイアナも練習してほしいってぇぇ」

 広瀬の顔からは明らかにSOSのサイン。どうやら葵先輩に気に入られたらしい。

「はーーい。」

 こっちもこっちで司馬先輩から解放されたいし。 

「俺とワコちゃんの練習の邪魔するなよっムカッ(`Д´)!!!」

「邪魔なんてしていませんよ。アンはダイアナとのセリフの方が断然多いですからムカッ(`Д´)」

「経験者だからって調子にのるなよムカッ(`Д´)」

「調子にのってなんていませんからムカッ(`Д´)」

「ワコぉ〜〜〜、
広瀬くぅぅぅーーん、
以前お話したぁーーー、
パーティーなんだけれどぉーーー、
夏休みのぉーーー、
初めの土曜日にぃ、
私の誕生日パーティーなのぉーーー。
是非いらしてねぇーーー(*^_^*)」


(^^ゞ
(^^ゞ
(^^ゞ


 も少しアップテンポで頼むよ、先輩・・・

 ワコは事なかれの平和主義者です。
 でも一番の平和者は葵先輩かもしれない、と思った。


 

助手席♪
「センセ!」

 練習の後、資料室に直行した。

「ご苦労さん、今までアン?」

「うん。司馬先輩は演劇経験ゼロだって言うんだもん。発声から教えなきゃ。」
「そりゃ、ご苦労さん。伊藤は大丈夫なの?」
「伊藤先輩は、百瀬で3年連続主役でしたよ。『かぐや姫』『白雪姫』『源氏の物語』。」
「すっげーー。」
「何の心配もないです。」
「『源氏の物語』って?」
「今なら分かるんですけれど、宇治の姫君のところをやっていたようです。最後に身投げしますよね。あの時は『源氏』だってことが分からなかったんですけれど、川に身を投げるときの葵先輩の切ない表情は話題をかっさらいましたよ。」
「へーー。」
「鎌田は何をやったの?」
「1年のときが『十一匹のネコ』、2年が『赤毛のアン』、3年が『ロミオとジュリエット』。」
「主役?」
「うん、『アン』のときに。『ジュリエット』は友達と半分ずつ。『十一匹のネコ』は、にゃんにゃん言ってただけ。」
「どんな感じ?」
「え、こうやって、手をネコみたいにして、ニャンニャン♪って。」
「ふーーん。」

 甲斐センセがそそくさと出て行った。

「あれ? どしたのかなぁ。」
「きっとトイレだよ。」

 ふーーん。








 終わったの?
 8時だよ。
 送ってくれたけどさ。

「疲れたよお。『アン』の間くらい、も少し優しくしてよ。」

「ダーーーメっ!! 漢字は、入試どうこうよりも、社会人として大切だっ!!」

 もおっ!!

「ねえ、車、変えたの?」

「うん。燃費を考えてね。これだけガソリンが高いとね。これはミニっていう車だよ。」

「確か海外の・・・」

「イギリス。外車って言っていいよ。」

 (○`ε´○)                      参照遠足の『下着がない(>_<)』

「前の車はどうしたの?」

「家にあるけど? あっちがよかった?」

「なんか、このミニ、小さくてセンセに似合わない。」

「そう? 俺はかわいくて気に入ってるんだけど。じゃあ、デートのときはあっちを使おう。」

 デート・・・
 ワコとじゃないよね。




「あーー!! 『魔笛』って何ッ!!!」

「ウッ・・・腹痛いッ!!!」



 え???

 おいっ!!!

 ちゃんと運転して家までたどり着けよ???





「俺、今日あの日(*^_^*)」



 へ?



「お前、今日プール入ってなかったろ。」




 ブッ殺す!!!



 
「ギャーー(*^_^*)」





 ミニに乗り換えたセンセは、車の中でとても近くって、首絞める真似もできた。
 2人っきりでいるときのセンセは、先生とは思えない。
 本当にデートしているみたい・・・
 これから毎週、木曜日は送ってもらえるのかなあ・・・


 漢字テストの勉強は、絶対しない(^^ゞ
 



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 ワコの疑問車を一人で二台所有できる家に住んでるってことは、やっぱりシェルって金持ち?

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