「ワコの演奏、気に入った?」とワコのピアノの先生の優子ちゃん。実は俺もこの人に習っていた。
「うん、相変らずメロディーラインが綺麗だね。」
音楽学院の毎年恒例の発表会。
毎年俺はモニタールームから。
進行や照明も手伝っているから仕方ないとしても、たまには客席で聞きたいな。
ワコの曲はモーツァルトのソナタ。
俺も弾かされたことがあるな。
それにしても毎年ワコは質素な服だよな。
貸衣装なら大した額じゃないと思うのに、鎌田家はそういうことはしないからなあ。
みんな結婚式のお色直しかと思うようなドレスで来るのに。
年頃のワコが気にしてないということはないだろう。
「ワコはピアノを歌わせるのが上手よ。」
「ワコ自身も歌は上手なんでしょ?学校祭、楽しみだな。『魔笛』に決まった?」
「うん、『魔笛』。あなたもよろしくね。そう言えばあなたってワコの歌、聞いたことない?」
「ないよ。」
「そっか。とっても綺麗なソプラノよ。」
「でね、頼んでいい?」
「何を?」
「ワコに学校祭のメンバーだって伝えること。」
「いいよ。」
伝えるくらい、何でもないよ?
「知らないわよ、そんな安請け合いして。絶対拒絶するはずなのよ。実はね、ちょっと大変だったのよ。」
ん?
「去年ね、学校の音楽の三学期のテスト、歌えなかったらしいの。」
ん?
「学園のクリスマスコンサート、2年連続ワコが中等部の代表になっちゃって、どうやら嫉妬をかっていじめられたらしいのよ。春休みに呼びつけて特訓したから歌は歌えるけれど、人前で歌えるのかしら。」
「・・・それって、学校祭とか『魔笛』とか言ってる場合じゃないじゃん。」
「そうなのよ・・・」
そうなのよって、人事みたいに・・・
「うん、相変らずメロディーラインが綺麗だね。」
音楽学院の毎年恒例の発表会。
毎年俺はモニタールームから。
進行や照明も手伝っているから仕方ないとしても、たまには客席で聞きたいな。
ワコの曲はモーツァルトのソナタ。
俺も弾かされたことがあるな。
それにしても毎年ワコは質素な服だよな。
貸衣装なら大した額じゃないと思うのに、鎌田家はそういうことはしないからなあ。
みんな結婚式のお色直しかと思うようなドレスで来るのに。
年頃のワコが気にしてないということはないだろう。
「ワコはピアノを歌わせるのが上手よ。」
「ワコ自身も歌は上手なんでしょ?学校祭、楽しみだな。『魔笛』に決まった?」
「うん、『魔笛』。あなたもよろしくね。そう言えばあなたってワコの歌、聞いたことない?」
「ないよ。」
「そっか。とっても綺麗なソプラノよ。」
「でね、頼んでいい?」
「何を?」
「ワコに学校祭のメンバーだって伝えること。」
「いいよ。」
伝えるくらい、何でもないよ?
「知らないわよ、そんな安請け合いして。絶対拒絶するはずなのよ。実はね、ちょっと大変だったのよ。」
ん?
「去年ね、学校の音楽の三学期のテスト、歌えなかったらしいの。」
ん?
「学園のクリスマスコンサート、2年連続ワコが中等部の代表になっちゃって、どうやら嫉妬をかっていじめられたらしいのよ。春休みに呼びつけて特訓したから歌は歌えるけれど、人前で歌えるのかしら。」
「・・・それって、学校祭とか『魔笛』とか言ってる場合じゃないじゃん。」
「そうなのよ・・・」
そうなのよって、人事みたいに・・・
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