センセ、絶好調!!   (小説です(^^ゞ)

女子高生という生き物
「おはよ。」

 無視っ!!!


 遠足前の雑多な中、わざわざ探しに来なくていいってっ!!
 お互いの友達がいるでしょっ!!




 ゴールデンウィークのはざ間の遠足、行き先はアスレチックのある自然公園。

 ねえ、やめようよ、アスレチックなんてさあ・・・
 あのね、子どもがみんなああいうのを喜ぶと思うのはやめてくれっ!!
 高校になってまで遠足せんでいいって・・・
 親睦を目的に、な〜〜〜んて言うけれど、だったらその辺のファミレスでいいって・・・

 超消極的ワコ(-.-)

 水辺もあるから体操服で来いって。
 イヤだって・・・体操服で路線バスに乗るなんて嫌だから、学校で着替えることにした。


 遠足のバスは自由席。祥子と隣同士。

 後ろには千歳と千尋。

 おかげでとっても楽しい。

 遠足の楽しみってこれくらいだけど。

 ワコと千歳が立膝で後ろを向いてギャンギャン騒ぐ。

 結構危ないスタイルかも。

 話は当然恋話。クラスの誰が格好いいだの、誰と誰が怪しいだの。


「ワコは広瀬君なんでしょ?」

「は?違います。」

「でも、あの毎朝の『おはよ』、学校中で有名だし。」

「毎朝だし、しかも毎日あんたは無視だし、ねえ。」

「うん(^^)」
「うん(^^)」


 またその話か。ヤツを目で探したら村山君と一緒に後ろの方に座っていた。

「ひょっとして元彼?」


 へ(-.-)?


「ああー、それであれだけ無視しまくるのか。」

「違う違う!」

「じゃあ、ふった、ふられたレベル?」


 うぅぅ・・・


「違う、違う!」

「ムキになるところがあやしい!」

「絶対にそんなことありませんから!」

「あれ?そうなの?じゃあ、取っちゃおうかなぁ。」

「どうぞどうぞ、のし付けて差し上げますっ!!」


 三人とも、その含み笑いをやめてくれっ!!


「あ、そうそう、西田さんってシェルにマジなんだってよ。」

 ホッ、話題が変わった(-.-)

「へえ、そうなんだ。」と千尋。


 千尋はシェルが気に入っていたはずだけれど、いいのかな。二人を探してみた。西田さんは後ろのほうで元田さんたちと盛り上がっていた。シェルは?


「ねえ、シェルは?」

「彼なら別行動だよ。一時間目、二年生の授業をやってから来るんだ。」

「うわっ!」


 ワコと祥子の前の席に担任が一人で座っていた。一番前は男の子たちに取られたらしい。っつうか、シェルが甲斐先生のことだって知っているのか。英語の先生だからちょっと考えれば分かるか。


「じゃ、初恋の話にいってみよーー」

 イエーーーィ!! 
 イエーーーィ!! 
 イエーーーィ!! 


 女子高生というのは世界一幸せな生き物なのに違いない。



スルーできねえ!
「小学校?幼稚園?」

「ようちえーーん。」

「しょうがっこーー。」


 ウソッ、みんな小学校なんだ。


「じゃ、年の順でワコ。」

「え、自分ではあんまり覚えていないのよ。親がそう言うの。」

「幼稚園の頃の記憶ってあんまりないもんねえ。」

「でも初恋だっていうんなら少しくらい覚えていないの?」

「ん?ピアノが弾けなくて、すんごく怒られているところ。」

「ピアノの先生なの?」

「ううん、親戚のお兄ちゃんなんだって。」

「格好いいの?」

「んー、写真が二枚しか残ってないし、一枚はボケてるし、もう一枚は後ろ姿なのよね。」

「そのお兄ちゃんと会うことはないの?」

「遠い親戚らしいし、ロンドンに行ったって聞いたし。」

「へえ。で、ワコはその人が好きだったということ?」

「んーー、別れてから一週間熱だして寝込んだんだって。病院に行っても原因不明で、熱が下がったとき、そのお兄ちゃんのことを全部忘れていたんだって。だから失恋熱に違いないって。」


「かっわいーーーー(o^-^o)」
「かっわいーーーー(o^-^o)」
「かっわいーーーー(o^-^o)」



「鎌田、北村、あのさ、やっぱり危ないと思うから、普通に座って。」


 担任が控え目に注意する。この人、いい人っぽいもんなあ。祥子と顔を見合わせて前を向いて座った。


「祥子は村山君と付き合っているって本当なの?」

「へへへ。」


 同じ中学のバスケ部で中三のときに告られたそうだ。


「村山君のどこが気に入ったの?」

「格好いいところ。バスケやっている彼って最高なのよ。広瀬君だって格好いいのに。」


 スルー( ̄。 ̄)


「高校でも同じクラスってどう?」

「やっぱ単純に嬉しいよ。広瀬君はワコと同じクラスで相当嬉しかったらしいよ。村山からそう聞いた。」


 スルー( ̄。 ̄)


 村山君は確かに格好いい。クラスでも一番くらい背が高いし、バスケも上手いらしい。


「デートってどんなところ行くの?」

「普通に映画とかだよ。ワコ、付き合ったことないの?」


 ムカッ( ̄∩ ̄#


「ふーーん。広瀬君としてみれば?その、デートくらい。」


 スルー( ̄。 ̄)



 ないんですよね、デート   ||||||||(_ _。)ブルー||||||||
 お付き合いも         ||||||||(_ _。)ブルー||||||||
 マジメに広瀬でもててから一度デートしてみようか、とさえ思う
              うぅぅぅ||||||||(_ _。)ブルー||||||||・・・




 そろそろ着く頃だ。

「パンパカパーン!」

 委員長の佐藤君と町田君と須田君だ。

「せっかくの遠足ですしクラスの友好関係を深めたいと思います。今からクジを回すのでその番号を覚えておいてください。アスレチックを男女ペアで挑戦していただこうと思います。なおこのクラスは四十人で、男子二十六人、女子十四人ですので、男子ペアが多数できますが、悪しからずご了承ください。」


 要するに男と女をくっつけたい、とそういうわけですな。


 男子が猛抗議。女子が先にクジを引いた。

「ワコ、何番?」

「三番。祥子は?」

「七番。相手は誰かな。」


 バスを降りて自分のペアを確認。
 男子同士が決定したペアはブーイングの嵐だ。
 三番の男子は村山君。
 村山君とか・・・なんとなく祥子に悪いな。


「はい、ワ〜〜〜コ(o^-^o)」


 祥子ちゃん、なに、その笑顔?


「交換に決まってるでしょ?」


 ああ、まあ、仕方ないか。

 で、七番の男子って誰?



「嬉しいな、七番の女子が君なんて。やっぱ僕たちは切っても切れない縁なんだよ。」




 スルー( ̄。 ̄)・・・・・・できねぇ!!!





神様のバカ
 おのれ、祥子、確信犯っ(*`Д´*)ノ"彡
 そのクジ、返せっ(*`Д´*)ノ"彡




 なんとな〜〜〜く四人で移動( ̄。 ̄)




 遠目に千歳と千尋が見えた。
 あっちはあっちで楽しくやっているらしい。
 須田と町田が一緒にいる。
 あれはあれで嫌かも。

「鎌田さんと広瀬って同じ中学の出身でしょ?」と村山君。

 結局、村山君と祥子が前で二人で歩いて、ワコと広瀬がその後ろを歩いている。

「広瀬ってどんな風だったの?」と村山君。

 どんな風って、
 王子様でこいつの歩くところには自然に道が出来て、
 こいつの願いで叶わなかったことって多分ワコだけで、
 ふつー広瀬から言い寄ってもらった日にゃ、
 小躍りして大喜び・・・

 なんて言ったら悪いかな。

 いじめられました、とは口が裂けても言えないし。

「普通だよ、普通。」

「ふーん。」

 まさか広瀬と同じクラスになろうとは。
 受験の直前に深山を受けることを教えてはくれたが、
 まさか二人で受かって、同じクラスになろうとは。

 村山君と祥子は二人で話しだしたから広瀬と無言で歩いた。いつの間にか二人は別行動を始めたし。当たり前か。

 ヤツと池のほとりに座った。

「深山高校はどう?」
「楽しいよ。」

 会話終了!
 二人でいる意味は、ない!
 むしろ害のほうが多い!




 神様のバカ〜〜〜(○`ε´○)




 神様をうらんでいても仕方ない。
 アスレチックが終わったら千歳か千尋を探そう。
 祥子は村山君だろうけど。

 グーーーキュルルル〜〜〜

 うわっ
 聞こえた?

 幸い広瀬は寝転んだところだった。

 ふぅ・・・

 そういえば朝はオレンジジュースだけだ。
 昨日の夜もろくに食べてない。
 そういえばこの土日、漫画に夢中で昼夜逆転だ。
 お日様が苦しい。
 やばいかも。
 持っているもので食べられるものはお茶しかない。
 おやつを持ってくるのはガキじゃないしと思って止めたし。

 お茶飲むか。

 ピーピーピーピーピーピーピーピー!!!

 8組の番か。

「行こう。」

 広瀬に促されるまま立ち上がった。
 まあいい、これが済んだらお弁当だ。


 三番目にスタートッ!!






バッシャーーン!!
 ゴールデンウィークの半ばだから家族連れもたくさんいた。
 小さい子とお父さんが楽しそうに先を行く。
 かなりハードじゃん?
 登って飛んで。
 アミアミの縄の上。
 ロープに捕まってターザンみたいに向こう側。

 広瀬がいちいち心配そうに見てくれるけれど、やっている最中は向うだって自分のことで必死だ。

 男女ペアになった意味って何?

 お決まりのロープでシューって下るのは大好きだけれど、次は水辺。水の上を石飛のように飛んでいくと、次はゆらゆらの丸太。二メートルはないみたい。

 この上を渡れって(-.-)?
 冗談だろ(-.-)(-.-)

 ハアハアいいながら、一旦休憩していたけれど、すぐに後ろから次のグループが迫ってきた。どこかでキャー、バッシャーンという音が響いた。

 誰かが水に落ちた?
 げ、私もそうなりそう。

「先行ってもらってくれない?私、もうヘトヘト。」

 二つのペアをやりすごした時、ヤツ言った。

「これやったら、やめようよ。」
「いやいや、いいよ。」

 エイヤッと立ち上がると今度は本格的な立ちくらみ。後からはその後のペアが来ている。

 う、これ、やばい、貧血?

 その時、小さな子がワコに突進してきた。坂を転がるように走ってきて止まれなかったんだ。

 うわっ、やば!

 とにかくその子をなんとか止めて、




 バッシャーーーン!





 だからイヤなんだって、遠足なんて||||||||(_ _。)||||||||








鬼門登場!
「ワコッ!」
「大丈夫ですか?」
「捕まって!」
 男の子が泣いていて、
 お母さんがその子を叱っていて、
 お父さんがワコに手を差し出している。

 ワコ?

 ワコは池にお尻ついちゃって、茫然自失。結構深い。

「ほら。」

 あいつがわざわざズボンを巻くって池の中に入ってきた。
 何?

「とにかく池から出ようよ。」

 ああ、そうだ。池から出よう。

「い、いいよ、ありがとう、自分で起きられるから。」

 ヤツの手をあえて拒絶した。ヤツはさっと手を引っこめた。水音を聞いて担任が飛んできた。

「お前たちかヽ(=´▽`=)ノ」

 そんなに嬉しいかよっ(○`ε´○)!!

 担任を目にしたお父さんが事情説明をしている。家族でさんざん頭を下げて、ワコにも謝り倒してくれたけれど・・・

「あ、あの、本当に、大丈夫ですから。お気になさらずに。失礼します。」
「とにかく本部へ行けよ。毛布は少し持ってきたんだけど、まさか本当に使うとは思わなかったよ。確か先客がいると思うよ。まあ、今回は仕方ないかな。」

 さっきの親子が申し訳なさそうにこっちを見ている。
 泣きそうな男の子に手を振ってあげた。

 やっと笑った。

 よかった(^ー^* )

「鎌田って心底優しいよな。」

 だってあの場合どうしろと?
 まさか子どもを池に突き落とせとは言うまい?

 本部っていったって大きな木の下で先生方がたたずんでいるところ。そこで保健室の浅野先生が待っていた。別の女の子が髪の毛を拭いていた。知らない子だ。

「あっちの子は足なの。手をついたから身体は水に濡れずにすんだみたいだけど。あなたは、ビショビショね(*´ο`*)」

 ε〜( ̄、 ̄;)ゞだって落ちちゃったんだもん・・・



「交代しますよ。」




 ゲッ、鬼門っ!





「あれ、どうしたの?」
「池に落ちたのよ。」


(≧▽≦)
( ̄∩ ̄#


「違いますよ、鎌田は池に落ちそうになった小さな男の子を助けたんです。」
「あらまあ、そうだったの、てっきりドジして落ちたのかと思ったわ。」と保健の先生。
「俺も(o^-^o)」


 ( ̄‥ ̄)=3 フンッ!!


「ビショビショだから、甲斐先生と帰ることだね。このままここにいてもいいけど、着替えまでは持ってきてないんだよ。まだ五月だし暖かいとは言っても風邪をひかせない自信はない。」




 ガ━━( ̄□ ̄;)━━ン!!
 なんか言った???







ビショビショだから
「俺、一時間目終わって車で来たんだよ。今着いたところ。」


 シェルと帰れだと?
 絶対嫌だよッ。
 殺されますっ!
 感想文もまだだし!!



「じゃ、行こうか。」

「結構です。」即答

「結構、って、どうするの?そのビショビショで。」

「・・・」



 どーーーしよーーー(>_<)



「か、乾かす・・・」


「どこで?ここで脱ぎます?」




 ガ━━( ̄□ ̄;)━━ン!




「か、甲斐先生に悪いですから。今着いたばかりだっておっしゃるし、バスで帰りますから。」

「遠慮しなくていいよ。乗せてってあげるって。」

「結構ですから。」

「鎌田さんって謙虚なんだねえ。でも泣きそうじゃん?送ってってもらいなよ。寒いんじゃないの?」と保健の先生。



 泣きそうな理由は別です!



「風邪ひいても知らないよ。」

「風邪ひきませんから。」

「下着も濡れたんじゃないの?」

 ・゚・(ノД`;)・゚・

「ほら、返事できないって、そうだってことでしょ。間違いなく風邪ひくよ。」

「ぅぅん、エヘンッ!!!」



 聞こえてた・゚・(ノД`)・゚・。!?



「結構ですからッ!」

「甲斐先生、随分嫌われているのね。」

「そんなことないよな、鎌田。」

 肩を抱いてきた。



 やめてぇー。嫌ってますッ!!!



 そこへ祥子と村山君が来た。

「大丈夫?」

「だ、大丈夫っ!」泣けてくるのを除けば。

「ムリしちゃって。さっさと帰んなさい。」


 余計なお世話です、浅野先生ッ!!
 でも浅野先生はワコの気持ちには全く気付かず、祥子に説得してくれと言う。


「ねえ、ワコ、ビショビショだよ、帰ったほうがいいと思うけれど。」

「大丈夫だってば。」祥子までやめてくれぇ。

「これで風邪ひいて欠席でもして勉強に遅れたら、またまた呼び出しかな。」


 うぅっ、またかい・・・


「もともと気分の悪くなった子の送迎係りというのも俺の仕事に含まれているんだよ。」


 先生がワコの顔をいたずらっぽく見た。
 どうでもいいから、その肩の手をどけてください。


「池に落ちた子じゃないけどね。」



 ムカッ(*`Д´*)ノ"




「だったら、買い物行く?」

「買い物?」

「下着とか。」


 (ノД`;)・゚・

「さすがにやばいって、濡れたままじゃ。男の子じゃないんだし。」

 (;´Д`)ノ

「さ、買い物行こう。」

 (`Д´メ)

「そんでキミのパンツの色を公表しちゃおう。白かな、ピンクかな。楽しみだな。イヤなら一緒に帰りましょ。」



 ( ̄_ ̄|||)





「か、かえります・・・」

「初めから素直にそう言えばいいのに。」





あああ━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!!!







下着がない(>_<)
 毛布にくるめられて、半ば強引にシェルの車まで。


「ゲ、外車?」

「外車?∵ゞ(≧ε≦o)ぶ! 」


 ムカッ( ̄∩ ̄#


「いや、今時珍しい表現だなと思って。BMWって知ってる?ドイツの車。右ハンドルなのによく外国車だって分かったね。」

「このエンブレム、見たことあるもん。」

「ああ、なるほど。」


 ふ〜〜〜ん。
 高校教師ってこういうの買えるほど高給取りでしたっけ?
 後ろに乗るように指示される。ふわふわのシートです。


「家?学校?どっちに送ればいいの?」

「学校。荷物がある。」

「荷物?」

「制服。体操服で路線バスに乗るなんて恥ずかしすぎるからさ、学校で着替えたの。」

「へえ、そういうところは女の子だね。」


 どういう意味ですか(゜-゜)?


「あの、すみませんo( ̄^ ̄o)彡」


 ブスッとして言ってみたけれど、冷静になってみれば到着したばかりの先生にとってはトンボ帰り。迷惑なのに違いない。


「いいよ、別に。人助けなら仕方ない。」


 機嫌はいいらしい?


「お前、寝てない?」


 え?どうして分かる?っていうか、お前呼ばわりですか?


「顔色が悪い。」

「誰かのせいで本を読んでました!」

「それはそれはご愁傷様。」


 先生はクスクスっと笑っている。車内を濡らさないように毛布をしっかりお尻の下に敷いてみた、一応。先生がどこかへ消えた。


「はい。」


 戻ってきた手には缶ジュースがあった。


「あ、でも。」

「俺が飲みたいんだから。」


 先生は缶コーヒーだ。


「すみません。」


 オレンジジュースを受け取った。


「謝ってばかりだね。ありがとうって言ってほしいな。感謝を表す言葉の方が聞いていて気持ちいい。」


 目をパチパチしちゃった。


「あ、りがとう。あの、お金。」


 先生はにっこりと微笑んだ。


「じゃ、感想文と交換で。」


 じわーーーっと嫌な汗が流れた。


「まさかやらないとは言わないよね。やらなかったら何してもらおうかな。」


 先生がいつになくニコニコしているから言葉とは逆に温かみを感じる。

 ワコをいじめたいわけではないの?


 だからきっとワコは暖かい空気に負けたのだ。
 後ろにエアコンが効くようにしてくれているのに違いない。
 温かくって、涼しくって、暑いくらいのお日様が気持ちよすぎ。
 んー、気持ちいい。



 ZZZzzzZZZzzz(^^)
      ZZZzzzZZZzzz(^^)
                         ZZZzzzZZZzzz(^^)


 車が停まっている?


「鎌田、ちょっと起きて。」

「んんん?」


 もう学校?


「あのねえ、そのままで寝ると絶対風邪ひくから着替えて。知り合いの家で服を借りられるから。ちょっと起きて。」


 ふげー、ハックション!


「おいおい、フラフラじゃないか。」


 くっついてどこかの建物に入った。


「お帰りなさいませ。」

「佳織さん、すまないねえ、この子の服を袋に入れてあげて。」


 先生とメイド服を着た人が話している。


「なんだったら洗濯して届けさせますか?」

「いや、いいよ。」

「かしこまりました。」

「ほら、着替えくらい自分でしてきて!」


 お手伝いさんらしき人がワコを案内してくれる。やっと目が覚めてきた。


「こちらでお着替えください。奥がシャワーだから。なんだったら使って。」



 いや、シャワーはいいって。んんん、やっぱシャワー浴びたい。


 ずいぶん広いエントランスだったなあ。
 それに立派なお風呂場だ。
 大理石?
 大きな鏡?
 ゴージャスな気分(@⌒▽⌒@)ワーイ

 大きな鏡のある洗面所に準備されていた服はすごく短いミニスカートおへそが見えそうな短いシャツだった。


「そんな服でごめんなさいね、娘の趣味なのよ。」


 さっきのメイド服のおばさんはワコが素っ裸だろうとお構いナシに入ってきたから慌ててバスタオルを巻いた。



 (´д`)ママ…


 はて、服の中に下着がない。





 (´д`)ママ…







ノーパンノーブラ
 下着・・・



 って、当たり前か。服を貸してもらって、そのうえ下着まで貸してくれとは言えない。脱いでしまった濡れた下着を履くのは嫌だ。



 うーーーむ・・・・・・
 仕方ない・・・




 ドキドキドキドキ
 すんげーーーー緊張!!!!!
 ドキドキドキドキ・・・





 先生とメイド服を着た人は親しげに話している。

「お坊ちゃま、いけませんよ。」

 ふふふ、先生は肩で笑っていた。

「ごめんね、ありがとう。」

 先生はメイドさんに軽く手を上げた。

「服は届けるから。」
「いつでも結構です。」
「わかった。鎌田、行くよ。」

 わけもわからずその人に会釈して家を出た。
 出てみて驚いた。レンガ造りの大豪邸?どっかのホテルですか?豪邸の周りは広い庭?森?見とれて立ち尽くしてしまった。

「おーい、行くよ。」

 車で待ってくれている先生のところまで走ろうと思って止めた。



 しずしずしずしず・・・



 やばすぎる。



 スースーする・・・(´д`)ママ…




 早く車に乗らないと。でもつい振り返って聞いてしまった。

「あの家は?」
「知り合いの家。」
「だってお坊ちゃまって、」
「俺の家に見えた?」
「う・・・。」
「かわいいよ、これ。」

 先生がリボンの輝く短い横髪を指ではねた。
 うっ・・・さっさと車に乗ればよかった・・・(>_<)
 リボンを編みこんだ短い髪を必死で隠す、って今頃遅すぎか。

「その服、学校で着替えてね。返すから。」
「あ、はあ、洗濯は?」
「いいよ、あの人に返すからさ。ねえ、ひょっとして・・・」
「ん?」
「なんでもない。」

 なんすか?

 そのまま車の後ろに黙って座っていた。

「毛布かぶって寝ていていいよ。もうそれなら風邪ひかないと思うよ。」
「うん。」



 この先生って悪い人じゃないのかなあ。
 っつうか、なんで私はこの先生と親しげに話しているんだろ。



「せんせ?」
「何?」
「感想文、ごめんなさい。ゴールデン・ウィーク明けには持っていきます。」
「分かった。」

 先生はそれきり鼻歌を歌いながら運転している。機嫌はいいらしい。

「あの・・・」
「何?」
「罰、いっぱいある?」
「あるよ。ねえ、本当に寝ていていいよ。連れて帰って風邪ひかせたなんて知れたら、他の先生たちに何と言われるやら。感想文は君はちゃんと休み明けにと言うんだ。休み明けを待つさ。」

 優しい人?
 いつの間にか本当に寝ていた。
 夢の中にはアマデウスみたいにちゃらんぽらんなモーツァルトの先生が楽しそうにワコのことを追い掛け回していた。ワコはと言えば、結構楽しそうに笑っていたのだ。

「鎌田、ついたよ、起きて。家まで送るから、着替えておいで。」

 家まで?

「どんな夢を見ていたの?笑っていたよ。」

 あなたの夢・・・






 いつもより閑散とした学校。
 制服に着替えて資料室へ持っていった。
 せっかく家まで送ってくれるというので素直に乗せていってもらうことにした。だってスースーするもん。


「家まで寝てってもいいよ。知ってるから。」


 知ってるって家を?
 なんで?
 車はスムーズに走る。
 先生は本当にワコの家を知っていた。


「あの、ありがとうございました。」
「いいえ、どういたしまして。」



 先生がニッコリ微笑んだ。






「さすがにノーパンノーブラの子を公共交通機関には乗せられません。」









工エエェェ(´д`)ェェエエ工!!!!!!!!!!!!!












☆ 落ちた ☆
昨日
学校の遠足でした。
池に落ちちゃいました・・・最悪 (´Д`|||)
あの先生に家まで送ってもらいました・・・
初めてです、こーいうの。

あたしのことを怒ってばかりのあのセンセは
実はいい人なのかもしれない、と思ってしまった。

明日ガッコ行ったらなんと言われるんでしょう。
恥じかしいです||||||||(_ _。)ブルー||||||||


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